ナトリウムイオン電池と全固体電池の競争が熾烈に!中国が電池特許で世界の半数を占める

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過去10年間の電池関連特許の集計が行われ、中国が首位に躍り出ることが明らかになりました。

ナトリウムイオン電池の特許

日経新聞によると、中国は世界全体の5割を占める5,486件の特許を取得し、リチウムイオン電池の後継技術であるナトリウムイオン電池においても、米国や日本を大きくリードしています。

この競争では、リチウムイオン電池の改良版や、より普遍的なナトリウムを用いたナトリウムイオン電池、全固体電池といった次世代電池技術が焦点となっています。

ナトリウムイオン電池が主流になれば、中国が世界の主導権を握る可能性が高まりますが、現時点で決定的な動向は見られておらず、過度の懸念は不要です。

日本は全固体電池に注力

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一方、日本は全固体電池に注力しており、トヨタを筆頭に、関連特許数ではパナソニック、出光興産、サムスン、村田製作所といった世界ベスト5の中の4社が日本企業で占められています。

全固体電池が主流になれば、安全性が格段に向上し、日本企業が世界をリードする展開が期待されます。

リチウムイオン電池が普及していますが、デメリットは?

リチウムイオン電池は現在広く普及している電池技術ですが、いくつかのデメリットがあります。

リチウムイオン電池の安全性の問題

リチウムイオン電池は、内部のショートや過熱が起こると、発火や爆発のリスクがあります。

これは過充電や過放電、高温環境下での使用によって引き起こされることがあります。

リチウムイオン電池の寿命の問題

リチウムイオン電池は充放電の繰り返しによって劣化し、徐々に容量が低下します。

そのため、電池の寿命が短くなり、定期的に交換が必要となります。

リチウムイオン電池の資源の制約

リチウムイオン電池の主要な構成要素であるリチウムは、地球上の資源が限られています。

今後の需要増加に伴い、リチウムの確保が難しくなる恐れがあります。

リチウムイオン電池の環境への影響

リチウムイオン電池の製造プロセスは、環境に悪影響を与えることがあります。

また、リサイクルが難しいため、廃棄物として環境負荷が生じることもあります。

これらのデメリットを解決すべく、リチウムイオン電池の改良や、ナトリウムイオン電池、全固体電池などの新しい電池技術の研究が進められています。

全固体電池とは、仕組やコスト面でどうか?

全固体電池は、従来のリチウムイオン電池とは異なり、電解質が固体状態の電池技術です。

この技術にはいくつかの特徴や利点がありますが、コスト面にも影響を与えています。

全固体電池の仕組み

全固体電池は、固体電解質を使用しています。

これにより、液体電解質を用いるリチウムイオン電池と比較して、リークや発火のリスクが低減されます。

また、電極と電解質が密着しているため、内部抵抗が小さく、高電力・高エネルギー密度が実現できる可能性があります。

全固体電池のコスト面

現在の全固体電池は、研究開発段階にあり、大量生産に適したプロセスや材料がまだ開発途中です。

そのため、現在はリチウムイオン電池に比べてコストが高いとされています。

ただし、今後の技術進歩によって大量生産が可能になれば、コストが低減し、リチウムイオン電池と同等またはそれ以下のコストになる可能性があります。

リチウム資源の依存低減

全固体電池では、リチウムを含まない電極材料や電解質が開発されているため、リチウム資源への依存が低減される可能性があります。

これにより、資源の制約によるコスト上昇のリスクが軽減されることが期待されます。

全固体電池は、安全性やエネルギー密度の向上、リチウム資源への依存低減などの利点がありますが、現在のコスト面ではまだ改善が必要です。

技術の進歩によって大量生産が実現されれば、コスト競争力が向上し、市場での普及が進むことが期待されています。

ナトリウムイオン電池とは?コスト的には?

ナトリウムイオン電池は、リチウムイオン電池と同様の構造を持ちながら、リチウムの代わりにナトリウムを使用した電池技術です。

ナトリウムイオン電池の仕組み

ナトリウムイオン電池は、リチウムイオン電池と同じように、正極、負極、電解質、セパレーターから構成されています。

充電と放電時に、ナトリウムイオンが正極と負極の間を移動します。

リチウムイオン電池と同様に、再充電が可能であり、携帯電話や電動車などさまざまな用途で使用されることが期待されています。

ナトリウムイオン電池のコスト面

ナトリウムイオン電池は、地球上に豊富に存在するナトリウムを使用しているため、リチウムイオン電池と比較して原材料コストが低くなる可能性があります。

また、製造プロセスもリチウムイオン電池と類似しているため、既存のリチウムイオン電池製造ラインを利用して生産することが可能です。

このため、コスト面ではリチウムイオン電池よりも優位とされています。

しかし、ナトリウムイオン電池は現在も研究開発段階であり、エネルギー密度やサイクル寿命などの性能面でリチウムイオン電池に追いつくための改良が必要です。

技術の進歩によって性能が向上し、コスト競争力が保たれることが市場での普及につながると期待されています。

その他の蓄電池

蓄電池

蓄電池は、さまざまな技術が開発されており、以下にいくつかの代表的なものを挙げます。

鉛蓄電池

古くから使用されている蓄電池で、自動車のバッテリーや非常用電源として広く利用されています。

低コストで信頼性が高いですが、重量が大きく、エネルギー密度が低いため、携帯機器や電動車には向いていません。

ニッケルカドミウム電池

高い放電電流に対応できるため、電動工具や無線機器などに使用されます。

ただし、カドミウムは環境に有害であり、リチウムイオン電池などの新しい技術に徐々に置き換えられつつあります。

ニッケル水素電池

高いエネルギー密度とサイクル寿命を持っており、家庭用蓄電池や電動車のバッテリーとして利用されています。

環境にやさしい素材を使用していますが、リチウムイオン電池に比べてコストが高いです。

レッドックスフロー電池

電解質を液体状態で保持する特徴を持ち、容量や出力を独立して調整できるため、大規模な蓄電システムに向いています。

太陽光発電や風力発電のような再生可能エネルギーの補完として用いられることがあります。

燃料電池

水素と酸素の化学反応を利用して電気を生成する装置で、発電と蓄電の両方の機能を持っています。

環境負荷が低く、高いエネルギー変換効率を持ちますが、水素の供給やコストが課題となっています。

これらの蓄電池技術は、それぞれ特徴や用途が異なります。適切な技術を選択することで、電力供給の安定化や環境負荷の低減に貢献できます。

今後の蓄電池の展望

今後の蓄電池技術の発展は、エネルギー需要の増加、再生可能エネルギーの普及、電動車の市場拡大などの背景により、ますます重要性が増していくと考えられます。

蓄電池の性能向上

新しい蓄電池技術の開発により、エネルギー密度の向上、充放電サイクル寿命の延長、安全性の確保などの性能向上が期待されています。

これにより、電動車の航続距離の拡大や、再生可能エネルギーの効率的な利用が可能になります。

蓄電池のコスト低減

大量生産技術の進歩や、より安価な素材の開発によって、蓄電池のコスト低減が進むことが期待されます。

これにより、蓄電池の普及が促進され、家庭用蓄電池や電動車の価格が手頃になる可能性があります。

蓄電池の環境負荷の低減

環境に配慮した素材や製造プロセスの開発が進むことで、蓄電池の環境負荷が低減されることが期待されています。

また、リサイクル技術の向上により、廃棄物処理の問題も緩和されるでしょう。

蓄電池の多様な技術の共存

リチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池、全固体電池など、さまざまな蓄電池技術がそれぞれの特性や用途に応じて発展し、共存することが予想されます。

これにより、多様なニーズに対応した蓄電池ソリューションが提供されるでしょう。

蓄電池のエネルギーインフラの変革

蓄電池技術の進歩により、スマートグリッドやマイクログリッドの実現が加速されることが期待されます。

これにより、電力供給の安定化や、分散型エネルギー資源の効率的な利用が可能になります。

ナトリウムイオン電池と全固体電池の競争が熾烈に!中国が電池特許で世界の半数を占める/まとめ

これらの展望を踏まえると、今後の蓄電池技術の発展は、持続可能なエネルギー社会の実現に大きく貢献することが予想されます。

技術革新や研究開発の進展により、さまざまな分野で蓄電池が活用されることで、エネルギー供給の効率化、環境負荷の低減、経済的な価値創出が期待されます。

また、国際競争が激化する中で、技術開発や産業政策の適切な方向付けが、各国の競争力向上や地域のエネルギー自立に繋がると考えられます。

これからの蓄電池技術の進歩と普及が、持続可能な未来に向けた重要な鍵となるでしょう。

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いっきゅうコンテンツブログの管理人です。「暮らしを賢く楽しむ」をモットーに日々ブログ記事を書いております。WEBメディア会社21期目社長。フォークギター、元ロックバンドベース、ドラム。筋トレ、玄米食、ファスティング実践中。還暦夫婦ドライブ温泉旅VanLife車改造趣味でやってます。旅系ブログも運営中https://na58.net/ 。よろしくお願いいたします。

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